─ 取得の意義・流れ・実務ポイントと取得支援の活用法 ─

クラウド利用が日常化するなか、単にシステムを動かすだけでなく、「情報セキュリティをどのように担保するか」が組織の信頼性を左右します。
ISO27017はクラウドサービスの提供者・利用者双方に向けたガイドラインで、ISO27001/ISMSをベースにクラウド特有のリスクに対応するための指針を補完します。
本記事では初心者にもわかりやすく、実務で活用できる観点を含めて解説します。
目次
- ISO27017とは何か?(ISO27001・ISMSとの位置づけ)
- なぜ世界的に注目されるのか(市場背景と主要クラウド事業者の動向)
- どの業種でニーズが高いか(導入ケース)
- 取得するメリット(営業・リスク低減・運用面)
- 取得に伴うデメリット・注意点(時間・費用・運用負荷)
- 取得に必要な要素(ドキュメント・体制・技術・契約面)
- 具体的な取得の流れ(段階別の作業と目安期間)
- 取得支援・運用支援(コンサルティング)を活用する際のポイント
- 実務チェックリスト(認証取得時に揃えるべき資料・タスク)
- まとめ:中長期の運用戦略と次の一手
1)ISO27017とは何か?(ISO27001・ISMSとの関係)
- ISO27017はクラウド環境に特化した国際的な情報セキュリティガイドラインです。
- ISO27001(情報セキュリティマネジメントシステム:ISMS)で定めた管理策を土台に、クラウド特有の運用・契約・責任分担(shared responsibility)を補強する追加の指針です。
- 既にISMS認証を持っている組織であれば、ISO27017の追加要件にスムーズに対応できます。
2)なぜ世界的に注目されるのか(市場背景)
- クラウドサービスの普及により、データ越境や外部委託管理、可用性・BCPの要求が増加。
- Google、Microsoft、Amazonなど主要クラウド事業者や、それらを利用するSIer・ASP事業者が認証を取得。
- ISO27017は、国際的な信頼性の指標として価値があります。
3)どの業種でニーズが高いか(導入ケース)
- クラウドを利用して顧客データや機密情報を扱う企業:ITサービス、SaaS事業者、データセンター運営者
- 業務を外部委託したり、クラウド上で顧客情報を処理する業界:金融、保険、医療、人材派遣、広告、小売、物流
- 取引先(特に海外企業)からセキュリティ要件として認証を求められる場合
4)取得するメリット(分かりやすく)
- 対外的アピール:営業や入札、海外取引で信頼性を示せる
- 情報セキュリティレベル向上:リスク評価・管理策実施でインシデント対応力やBCPを強化
- 取引要件の達成:顧客やパートナーから認証取得を前提条件にされるケースで有利
- 運用の安定化:ISMSと一体化した運用によりPDCAサイクルが回りやすい
- 契約・責任範囲の明確化:プロバイダと利用者の責任分担を整理でき契約交渉でも優位
5)取得のデメリット・注意点
- 時間と工数:初期導入は数か月〜1年以上
- コスト:コンサル費用、技術投資、審査費用、維持コスト
- 運用負荷:規程・手順書の整備、教育、内部監査、記録管理
- 過剰対策リスク:規格の「要件」と「推奨」を混同せず、リスクベースで優先順位を付ける
6)取得に必要な要素(実務的なポイント)
- 前提:ISMS(ISO27001)の整備が必要
- 主要作業:- スコープ定義(対象サービス・組織範囲)
- クラウドリスクアセスメント(データ分類、脅威・脆弱性)
- 管理策実装- 技術:暗号化、アクセス制御、ログ管理、バックアップ
- 組織:契約条項、責任分担、ベンダ管理
 
- ドキュメント整備(方針・手順書・SOA・インシデント対応)
- 教育・訓練、内部監査、是正処置
 
- 技術・契約面の留意点:- SLA、データ取扱・保管場所、監査権、暗号化・鍵管理、サブプロセッサ管理
- データ越境や法令対応(個人情報保護法、GDPRなど)
 
7)具体的な取得の流れ(目安期間)
- 準備フェーズ(1〜3か月)- 現状棚卸し、ギャップ分析、スコープ・責任者決定
 
- 設計・実装フェーズ(3〜12か月)- リスクアセスメント、管理策導入、手順書・教育・内部監査
 
- 審査申請~認証取得(1〜3か月)- 書面審査、現地審査、是正対応後に認証取得
 
- 維持フェーズ(継続)- 年次サーベイランス監査、内部監査、継続的改善
 
※既存ISMSがあれば短縮可能
8)取得支援/運用支援(コンサル活用)のポイント
- メリット:- 規格解釈や優先順位付け支援
- ドキュメントひな形、内部監査代行、教育提供
- 審査対応の短期化
- 運用支援で日常のログ監視・脆弱性管理をアウトソース
 
- 選び方:- 実績(ISO27001/ISO27017取得支援経験)
- 提供範囲(取得支援のみか運用支援まで)
- 知識移転方針(自走可能か、継続サポートか)
- 価格・契約条件
 
9)実務チェックリスト(認証取得時に揃える資料・タスク)
- スコープ定義書、組織図、管理責任者表明
- リスクアセスメント結果、リスク対応計画
- 情報セキュリティ方針、クラウド利用手順・規程
- Statement of Applicability(SoA)
- アクセス管理、暗号化、ログ管理、バックアップ・復旧手順
- インシデント対応フロー、訓練記録
- ベンダ管理・契約書、第三者評価(SOC/ISO取得状況)
- 内部監査報告、是正処置記録、経営レビュー議事録
10)まとめ:中長期の運用戦略と次の一手
- ISO27017は単なる「認証」以上の価値がある
- クラウド利用のリスクを整理し、対策を実施することで:- 取引先の信頼性向上
- 法令順守
- インシデント対応力強化
 
- 実務のコツ:- まず現状棚卸し(ギャップ分析)
- リスクベースで優先順位付け
- 既存ISMSがあればステップ短縮可能
- 初めての場合はコンサル活用で効率化
 
💡 クラウド特有のポイント(すぐ使えるヒント)
- 共有責任モデルを明文化する
- データの所在・越境対応を確認
- 暗号鍵管理ルールを定める
- サブプロセッサ管理・監査権を契約に含める
- ログ整備と保持期間を決定
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